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ウィトゲンシュタインその1

昨晩、ウィトゲンシュタインのことをちらっと書いて、思うことがいろいろあった。まず、あの書き方はあまりに乱暴すぎてよく分からないだろうこと。次に、「論理哲学論考」について今一度やりなおしたくなったこと。私はノートを取るよりもブログに書いた方が定着するので、勉強兼不完全な記述の補足という感じで、まとまった量を書こうかな、と思った。

そして、高校生とかに対して、ウィトゲンシュタインを通すことで示せる「おもしろ」はいっぱいあるんじゃないか、という思いも一つ。
だから、極力わかりやすく、おもしろく、かつ私の能力の範囲で突っ込んだ話題をしていこうと思う。

個人的には、高校生にウィトゲンシュタインというのは「あり」だと感じる。むしろかなりいいんじゃないかなと。

 理由1:イデオロギーなどの危険要素が少ない。
彼は分析哲学・論理学の人である。論理学は、(基本的には)各人の思想や好みにかかわらず誰にでも了解できるものだ。もちろん深く掘り下げていくと全くバイアスがないわけではないが、「ツァラトゥストラかく語りき」とかの劇薬みたいな本よりは断然薦めやすい。
彼は我々も使いうる普遍的な考えで論を組み立てている。もちろん彼は学者で、才能や素養がちがうから普通に読むとめちゃめちゃ難しい。ただ解説書なども出ているし、併読して丁寧に読めばそれなりに分かると思う。非常に鋭利で深い論考は、職人芸のパフォーマンスを見るのに似た楽しさもある気がする。

 理由2:論理学なのに熱い。
という時点でかなり面白いですね。私は。

 理由3:美とは何か、芸術とは何か、生や死とは何か、「私」とは何か、世界の成り立ちとは、という壮大なお題に到達する。
多分、命題の形式や対象の性質などという瑣末的な問題よりは、どちらかというとこういう大きな問題に関心があると思う。しかしこの手の話題は、安易な考え方をしてはよくないし、もったいない。
十代後半になると、ぼちぼち自分の言葉で考えることができるようにならなければいけないが、その際手持ちの知識や思考方法が不足して、明らかに間違ったり、浅い考察で終わったりするのはちょっと悲しい。我々は「論理哲学論考」を完全に吸収するのは難しいが、それを通じて姿勢というか、根本的なスピリッツを見て取れるかと思う。ウィトゲンシュタインは論理学・言語学のツールを使い、命題やら対象やら意味やらの話から始めて、長い道のりをたどってから、論理的な方法で壮大なお題を語りだす。言い換えると、論理学、言語学を考えることは、美、芸術、生、死、「私」、世界などについて考えることに繋がりうる。これは多くあるやり方の一つではあるが、そういうやり方があるのだという可能性を知るのはいい事だ。
その例としてウィトゲンシュタインは、魅力的だし、あるいみ明快なので、適していると思う。

昨日のエントリに書いた部分「哲学的な質問は、最初から存在しない」は、翻訳にはこういう風に書いてある。


6・5
人が語りだすことのできぬ回答に対しては、人は問いをも語りだすことはできない。
謎は存在しない。
ともあれ問いが発せられる以上、その問いは、答えることのできるものである。
6・51
懐疑主義は、反駁不可能なものではない。まぎれもなく非意義的なのである。問うこともできないものを疑おうとするのであるから。
なんとなれば、問いが成立するときだけ疑いも成立し、答えが成立するときだけ問いも成立し、そして、何かが語られうるときだけ答えも成立するのであるから。
6・52
いま、仮に、可能なかぎりすべての科学的問いが回答されたとせよ。そのときにも私たちはやはり、生の問題は依然として手もつけられないままであるかのように感ずる。もとよりそのときには、もはやどのような問いも残ってはいないであろう。そして、もはや問いはないということが、じつはその回答である。
6・521
生の問題の解決を、人は、その問題の消失という形で気づく。


「論理哲学論考」(山元一郎 訳)より



これはいったいどういう意味なのか、なぜそんなことになるのか。この文面だけ読むと、何だか冷淡な印象を受けるが、とんでもない過程を経てこう結論されている。
ということを説明するのを、とりあえずゴールとして目指していきたい。




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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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