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マン・オン・ザ・ムーン

腰が痛い。足が痛い。O,bon.bonne

「美味しんぼ」を読んでいて、方言の話とかドイツの話とかが出てきたので、アルザス、ロレーヌのことを思い出したりした。

アルザスは、私がフランス傭兵部隊にいた頃の戦友で、三年前にルワンダに飛ばされた。それ以来連絡はしていないから生きてるかどうかは知らない。ロレーヌはその恋人だった。部隊の基地があったマルセイユは夏は大変に暑く、夕方になるとよく三人でギムレットを飲んだりした。チャンドラーの小説で、「ギムレットには早すぎる」という有名なフレーズがあるよ、という話をしてみたが、アルザスもロレーヌも小説は読まないからわかってくれなかった。私のフランス語が下手すぎて意味すら伝わってなかったのかもしれない。真実はもう分からない。アルザスは戦場へ、ロレーヌは雑踏の中へ消えていった。別れ際に、彼女は私にこう言った。「人生に心から酔えるのは、男だけよ」私は「それは違うよ」と言いたかった。だが彼女は返事は待たなかった。きっと、下手なフランス語なんてもう聞きたくなかったんだろう。たった一つのキャリーケースに収まる荷物だけ持って、彼女は町を去った。マルセイユの大通りに一人残された私は、空を仰ぎ、日本に帰ろう、そう思った。




えー、アルザス、ロレーヌというのは地名です。フランスとドイツの国境に近い地域で、歴史上フランス領になったりそうでなかったりしたところ。

この地域は産業的に重要であったので、よく取引のタネになった。普仏戦争でフランスが負けたときには、プロイセンに割譲された。これ以前は、百年以上フランス領だった。
ことのときの妙な逸話がある。割譲が決まり、アルザス=ロレーヌでは国語がフランス語からドイツ語に変わろうとしていた。そのとき、小学校の「最後の国語(仏語)の授業」で、ある教師がたった一言だけ板書した。
それは「フランス万歳」であった。

国境の線引きと、精神のよりどころの齟齬を表す、大陸ならではの葛藤である。

が、この逸話が実際にあったかどうかの信憑性は低く、作り話であるとする説が強いようだ。元々この地域は、どちらかというとドイツ文化圏に属していたし、言語(方言)もドイツ寄り。だからドイツ領となるのはそこまで心理的に抵抗は無かったとのこと。ちなみに現在はフランス領である。


そんな事を思い出すくらいに、夏休み。

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かなしくもよろこばしきこと

実家にいる間、やる事がなかったから「ことわざ事典」をずっと読んでいた。まだ全部読んでないが、「身の程をわきまえなさい」という類いの諺がすごく多いのに笑った。私も身の程を知ってMAD職人にでもなろうかしら。あと、嫁に食わすなシリーズは意外とツンデレ。「秋なすは嫁に食わすな」は、うまい物を嫁に食わすのは勿体ない、という意味ではあるが、秋なすはおなかが冷えるので嫁にはよくない、というニュアンスもある。これに限るとこのことは有名で、しかもツンデレ説は後付けのようだが、「秋鯖は嫁に食わすな」というのもある。鯖は「生き腐れ」と言われるほど鮮度の落ちるのが早く、また特に生食では当たりやすいので、気遣いが感じられる。諺は身もふたもない由来が多いが、たまに優しさがあるのがハートウォーミング。「どうして素直になれないの?」

やさしくなれるなら、諺はいらないってことか。
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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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