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蘇生 組成 so say

一日。喉が治っていくのが分かる。鼻は出る。頭、痛くなる。あれか、そうか、寿命だ。部屋干しして湿度を上げ、のど飴をなめる。「絵と地図が描けなければならない」と。そうね、人の多い場所なら。この国では頭の中では何を考えてても違法ではないから、僕はこれ幸いにと毎日頭の中でタスマニアデビルしている。していないけど。していない。していないよ。あっ鮭買い忘れた! うわあああああ! タスマニアデビルの事を考えていたからだ! 何なの? 僕は。うっかりやさんめ。そんなに少女になりたい? ああ、事実だ。しかし確認しておきたい。鮭は買い忘れた。そう、鮭は買い忘れた! 国分寺駅が徒歩マイナス一分だったらいいのに。駅に行こうとすると時間が飛んで通り過ぎてしまい、「あっ、一分前までは駅にいたのに」って思う。そんなスタンド。それで駅では女の子が待ち合わせ相手をずっと待ってるのに来ない。日も暮れてきて手がかじかんで、はーって息かけるけどやっぱさむい、ちょっと涙ぐみながらもう帰ろうかなって思ったりするけどけなげに待ってる。でも彼は来ない。来れない。俺がスタンドを発動してるから。嫌がらせか。ああそうさ。しかし一つ確認しておきたい。俺は悪くない。会う奴が悪い。第五部完。今、下ネタを書きそうになったけどやめた。一応自粛しているんですよ。徳が積めない気がするからね。でも今思えば鮭も風邪が治ってから買った方がいいかなあ。人に食わすものだから衛生的に。こういうときあったら便利なのはあれね。鮭を買うスタンド。16巻の最後の方にちょっと出てきたやつ。丈太郎「中東の食文化は日本人には慣れないから鮭を買ってきたぜ」アヴドゥル「やったぜJOJO!」みたいな。でも腐りやすいからね、気をつけなよ。イスラームではなぜ豚を食ってはいけないか? すぐ腐って当たるから。なぜ酒を飲んではいけないか? 水があまりないので、脱水症状が危険だから。ぜんぶ教訓なんだよ。一夫多妻だって、むかしは戦争で男が死んで未亡人が多かったから、路頭に迷わないようにするためだ。しかし鮭を買うスタンドはなぜあれっきり出てこなかったんだろう? 便利だと思ったんだけどなあ。ピスタチオを買うスタンドも。農園作ればいいじゃん。財政的な手段でDIOを追いつめてさ。でも平和がいいよ。平和がいい。お洒落さんなお前には分かるまい! 見ろよ! あの女の子はまだ駅で彼を待ってる! 待ち合わせ時間はとっくに過ぎてるし涙だって枯れそうだ! かわいそうじゃないか! 俺がスタンドを解けばいいんですね。はい、解きました。彼は駆けつけた。女の子は顔をしかめて何か言いたそうだが、男が必死に走ってきたのを見るとなにも言えなくなってしまって黙ってうつむいた。そして彼の胸にダイヴ。そう、これでよかったんだ。ああ、これでよかったんだ……もういいだろう、あいつらは俺たちが見てなくてもきっとうまくやれるよ。どうだい、これから一杯。寒い夜だ、強い酒がうまいだろう。いい店を知っているんだ。マスターが面白い人でね、自家製のピザが自慢なんだ。できばえは日によって違うけれど、運よく成功したらそれはおいしいんだ……ほら、この店さ。おや? あそこのカウンターで飲んでる奴は……あーっ! 今朝の食パン女ー! 死ね!(バールのような物を振り下ろす)一分後「ハッ! 俺は一体何をしていたんだ? ……手が真っ赤だ……」そして自分にかけたスタンドを最期まで解く事はできなかった……100年後。私は国分寺駅に降り立った。あの人がついに到達できなかった国分寺駅に。自分のスタンドに囚われたまま、永遠に一分後を繰り返したあの人の代わりに。見ろよ。今も町は相変わらず平和さ。あんたの望んだ平和は続いているんだよ。私は手に持った花束を見た。墓参りには何が相応しいのかよく分からず、適当に包んでもらった物だ。しかしこういうものは、心意気の問題だろう。これで墓参りは最後だ、あんたに最後の報告をして。国分寺は、今も平和だ。これからは分からない。でも、今は。駅では、行き交う人もあり、人を待つ女の子もいた。100年前と変わらない。もしかしたら、あんたのかけた意地悪なスタンドは今も誰かを時々困らせているのかもしれない。これから墓に行って、もうそんな頑張る必要なんかないんだということも言ってやろう。私は歩いて南口から坂の方へ向かって行った。このまま進めばやがてあいつの眠る墓まで行ける。私はうつむき、花束のガサガサ揺れる音だけを聞いて歩いていた。しかしそのとき、ある男の子に道を聞かれて顔を上げた。「すいません、国分寺駅はどっちですか?」彼は大変焦っていた様子だった。「この道を行けば一分ほどで着くよ」私はそっけなく言った。「すぐに分かるだろう?」「そのはずなんですが、どうしてもうまく行けないんです。通り過ぎてしまうんですよ」彼は言った。この季節にしては冷たい風が吹いたのを感じた。彼は時計を見て、鋭いため息をついた。私はゆっくりと言った。「だれか待たせてるんだろう? しかし、すぐに行けるようになる」それから彼の顔を見て、続けた。「だいじな待ち合わせなんだろ?」彼は少しぽかんとしたが、私は反応を待たずに彼に花束を押し付けた。「こいつをやるよ。遅刻はとりあえずごまかすことだな」私はきびすを返し、もう彼の方は見ずに墓場へと早足に歩いた。どこかで花を買いなおそうかとも思ったが、寄り道はいらない気がする。あんたは花が似合った事は一度もなかったよな、とつぶやき、下を見たまま歩き続けた。









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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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