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わがままを言われて困りたい

白亜塗料というのは非常にわがままちゃんで、処方量をミスったり扱いを間違えたりするとまるで仕事をしてくれない。比較すると、油絵具ちゃんは、ちょっと休憩して煙草を吸ったりしても、いい子にして待ってる。しかし膠で練られた白亜ちゃんは、ちょっと目を離すと膜を張ったり、固さが変ったりする。仕方ないから膜は避けて使うべと思ったら、あっという間に細切れになり分散、いくつか地塗りにまぎれてしまい、くそう何という凡ミスだ、という今現在。

でも白亜ちゃんはね、みんなの憧れシルバーホワイトやチタニウムホワイト(お嬢様風)と同じ白色顔料に生まれていながら、体質顔料なので、「やーい体質! お前が来ると色が濁るんだよ!」っていじめられたりしてて、それでちょっと気難しい子になっちゃったのね。だからしっかり愛をもって接せないとすぐ怒る。「中途半端な気持ちなんでしょ! もう知らない!」つって。しかし丁寧に地塗りを重ね、紙ヤスリで磨き上げると、えも言われぬなめらかで美しい白亜地が出来上がる(メガネ取ると美少女)なのを私は知ってる。デレさせるのが非常に高難易度な分、すさまじく奇麗になる。さらに体質としては決して前に出ることのない彼女だが、フランドル技法(グレーズのみの、透明水彩の油彩技法版みたいなもの。ファン・アイクなどが使っていた)によって透層されると、絵の輝きの源となり、主役に躍り出る。まるで文化祭の演劇の出し物に半分いじめで主役にされたのに、本番では(メガネ取って)めちゃめちゃ輝いててみんなびっくりした的な。上に乗ってるバーミリオン(スケ番)とかが「ケッ……これじゃ、あたいらが引き立て役じゃんか……」って、悔しそうに笑うような。ちなみにシルバーホワイトとバーミリオンは仲が悪く、廊下ではち合わせたりすると反応して黒変する。

そんな白亜ちゃんだが、常に孤独なわけではなく、力になってくれる友達もいる。同じ白色顔料のシルバーホワイトはやや孤高なオーラをかもしていて白亜ちゃんにはあまり関心がないが、チタニウムホワイトはけっこういい奴で、白亜塗料に少し混ぜて使うこともある。これは非常に色の効きがいいのと、毒性がなく粉末でも扱いやすいことによる。チタン白混入で明度が上がり、油に濡れたときの沈みも減る。そう、白亜ちゃんが一人で泣いてるときとかにもチタン白はそっと肩を抱いて、「あなただって油彩技法に欠かせない存在なのよ、一緒に下地になりましょう?」ってはげましてあげる、そういうやさしい子。よかったね白亜。
しかし私のパレットではシルバーホワイト嬢が大暴れしているので、チタンさんは出番皆無だったりする。


ところで、誤解のないように弁解させていただくと、私は絵具を女の子に例える事で楽しんでいるのではなく、絵具とたわむれる感動が伝わりやすいようにあえて擬人化しているのである。私にとっては絵具に囲まれることは、一般的な男性が女の子に囲まれる時に感じるようなドキドキがあるという、そういう事を言いたいのです。
人類には、そういう形の幸福も許されている。
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乾く喉 吸わない体

無敵の練習がつぶれたので、ダンゲーキサムーヴィの練習にお邪魔する。朝九時走るが、食べ物を食べておらず、飲み物だけ飲んでいて、胃の中でじゃぼじゃぼ言ってる。家を出る前に飲んだ野菜ジュースすらまだ吸収されておらず、恐らく体は万全ではない。疲れた時に必ず出る右頬のおできも出現しているので、気分のわりに体は疲れている様子。でも動き回ったりする。

帰って、久しぶりに板絵でも描くべえと思い立ち、膠とたわむれる。
膠って不思議な子。

あと金印ほったらかしにして内田樹、石川康宏共著のマルクス本を読んでるけど、マルクスは非常に酔わせますね。正確には、マルクスで大興奮している人を見ると酔いが移る。昨日は酒飲みながら読んでたのもあるけど、ちょっと全共闘の人たちの気持ちが分かったよ。「俺は今目覚めたのだ!」的な感じになる。
はずかしながら二次文献はまったく読んでないのだが、ときめきを教えてもらってる。ありがとうマルクス。

あと夏休みの課題図書を決めました。スピノザの「エチカ」です。私は汎神論をマスターして、油や絵具ちゃんとより深いコミュニケーションを取れるようになろうと思います。読書感想文も書きます。一枚の原稿用紙に「すごいと思いました」を5回くらい書いたあの日の夏。私は小学生の頃は読書感想文が死ぬほど嫌いで、なぜなら無から作らないと本音が語れない。そして創作物語文では「肛門をナイフで突き刺してえぐる」などと書いて喜んでいる子供だったので、読書感想文なんか書けるわけがない。このトラウマは後を引き、高校の頃は読書感想文の課題なのに読書感想文を書かなかった。バーの小話とか書いた気がする。その学期は赤点だった気がする。でも卒業できる。それが分かってたので、苦しまずにすむように生きてきたけれど、今直面する時が来ました。読書感想文書きます。人生を賭けて。
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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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