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ネクロな一日

アマゾンが軽かったので、ファンタジー小説のつづき。

死者の書 (創元推理文庫)死者の書 (創元推理文庫)
(1988/07)
浅羽 莢子

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これは今まで読んだ小説のなかで五本の指に入る傑作。「動物がしゃべりだす」というのは非常に多くあるシチュエーションだが、この話にも突然喋り出す犬とかが出てくる。めちゃめちゃ恐いのね。そしてすさまじいオチ。
ジョナサン・キャロルという作家は、オチを非常に気にする人で、しかもそれはしばしばぶち壊し気味なものになる。「沈黙のあと」という作品などは「お前、それがやりたかったがためにわざわざ長編小説書いたのかよ!」と叫んでしまうような感想を持たされる。が、「死者の書」は一番バランスよく、現実と空想の危うい橋を渡りきった感があり、非常に完成度の高いものとなっている。

どういう話かというと、もううろおぼえなのだが、ある亡くなった作家のファンだった男が、その作家の伝記を書くために作家ゆかりの地に滞在する。だが伝記を書き綴るうち、町の人々が不穏な言動を見せ始める。そしてやがて犬が喋りだしたり、人が車で撥ね飛ばされたりするのだった。やはり細かい事は忘れてしまったが、これは是非読んでみてほしい。

また、これはキャロルの処女作だが、二作目は「月の骨」という。これは女性の主人公が見る夢の中のような世界で、不思議な光景が繰り広げられる、まあより幻想的な作品で、併せてお薦めする。でもこれも話の終盤になると、魔法の力で知的障害者の頭を破裂させたりしてるから、ちょっと怖めではある。

ふりだしに戻る (1973年)ふりだしに戻る (1973年)
(1973)
ジャック・フィニィ

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ジャック・フィニィという人は懐古主義者で、昔のニューヨークが大好きな人。この話では主人公が政府の極秘調査の調査員として、昔のニューヨークにタイムトラベルする。
そこでの生活風景の描写はすさまじく細やかであり、これを読むだけで、何も知らない人でもその時代の空気を肌で感じる事ができるだろう。
ファンタジーというよりこれはSFな気がするが。

(追記:『ふりだしに戻る』でのタイムスリップ法は、かなり精神的な方法だったことを思い出した。機械の類いを使わないで、念じて飛ぶのである。やっぱSFじゃなかった。まあ実にファンタジックでしょう)

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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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