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絵具 絵の具 えのぐ の はなし

検索してここを訪れる人の中では、画材に関するワードでがかなり多い。

これは多分、絵の具に関する情報というのがあまりないので、このブログなんかも引っかかってしまうのだろう。

本屋で美術技法書のコーナーに行くと、並んでいるものはほぼ全て初心者・趣味人向けのもので、専門書は超大型書店でないとあまりない。それでも揃いは悪い方だ。さらに、材料のものとなるとほぼ数冊程度に絞られてしまう。

これは歴史的な問題もあってか、日本ではさほど技法や材料の基本はふまえないことが反映されているのだろう。ヨーロッパでは油絵の具の開発とその後の試行錯誤の様子が文献で山ほどあるので、そちらに興味があるのなら研究はしやすい。

現代アートシーンではこのようなことはあまり重要視されてないし、とりわけ日本は早足で来すぎたので特に関心がうすい。多くの学生は、油の基本的なことを十分に理解しないまま独自の世界に突入したり、別の素材に移ったりする。それはまあ、悪いこととは言わないが、いいことではない。油絵は個人史にとっては足がかりにすぎなかった、というので結構だが、ジャンプ台は強固な方がいい。私が研究室で「演劇の人」と認知されながらも頑に絵を描き続けたのはそういう考えもあり、未熟なまま絵から離れるわけにはいかないと思っていたからだ。最後の最後で折れたけど。

それで話を戻すと、日本で絵の具について深く知りたい場合、組成とかならある程度自力でなんとかなる。が、各メーカー製品の話となると急激に情報が減る。そこまで意識的に使い分ける人が少ないのと、情報の性質上、比較が重要になる。となると、もうネット上の個人ホームページか掲示板くらいしかない。

それでも探せばそれなりにはある。が、所によって話題にしていることが違うので、知りたい情報がないこともある。

だから「ウィンザー&ニュートン社のサンブリーチドオイルがブリーチドオイルに名前変わったけど、これって太陽漂白しなくなったってことですか? だとしたら普通のリファインドとどう違うんですか?」みたいなピンポイントかつ一般的にはどうでもいい疑問は解決しない可能性も高い。

ちなみに私がこれに答えるとしたら、こう言う。ニュートン社は今は「サンシックンド・リンシード」からもサンの字を抜いている。だからデザイン変更かなんかの機会に、長い名前のオイルは表記を省略することにしたのかもしれない。別の可能性としては、シックンドリンシードと併せて、製法を変えている。人口光を使って低コスト生産できるようになったのかもしれない。そうなると「サン」の文字はいれづらい。あとは、もう完全に薬品で漂白するようになった。普通のリファインドよりは濃縮されてるか、少なくともコストの高い方法でやっているはず。最悪の可能性としては乾燥速度しか違わない、だがこれはまあ値段を上げなくてもやれるのでありえないはず。というか、そこまで気になるなら自分で精製するべし。

といった具合に、絵を描く人の中でも99%以上は関係のない話になってくる。が、1%以下の人間はすこし困っている。

絵の具の話になる前に時間切れになってしまった。もう行かなければ。



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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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