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絵の具の話 酢酸ビニル樹脂

酢酸ビニル樹脂は合成樹脂接着剤で、広くは木工用ボンドとして知られている。

絵の具は何でできているか、を簡単に説明すると、接着剤と顔料と添加物が混ざったもの。油絵の場合は乾性油が接着剤で、これを膠にすれば日本画になる。だから日本画の顔料も油で練れば油絵の具になる。昔、ホルベインからそういうシリーズが出ていた気がする。

絵画用の絵の具は非常に厳しいテストをパスしなければならないので、コストがかかり高価格だが、とりあえず絵の具であればいいというのなら簡単に自作することができる。


だからボンドと顔料を混ぜてもそれは絵の具なのだが、これをやる人はほとんどいない。
酢酸ビニルは、絵画への不適合が露見しているからだ。経年変化に耐えられず、酸に弱い顔料を傷める。

私の世代は、人にもよるだろうけど、「酢酸ビニルや塩化ビニルを使ってえらい目にあった」というおじさんたちの話を聞いて育ってるので、ボンドの使用はありえないという先入観が強くある。現在はどこを見てもビニル系などは禁忌と書かれているし、全く使われていない。

しかし、実は酢酸ビニルはかつてアクリルと双璧をなす美術用合成樹脂とされていたようだ。アクリルは段違いの耐久性とカスタマイズが可能な超ハイテク絵具で、よくもまあデータが足りない頃とはいえ並び称されたものだ。でもなにせ大手画材メーカーが支持体の目止めや地塗りに使用してたくらいだから、酢酸ビニルも相当評価されていたのだろうか。しかし、凄い時代だ。

ちなみに、ボンドは木工用接着剤としては優秀である。あまりにポピュラーなのでどこかに上位品があるような気がするものだけど、彫刻やプロダクト系の人間に聞いても「木工はボンドが最強」と判を押している。
本当にうまく接着できた場合、つなぎ合わせた木を壁などに叩きつけると、接着した以外の場所が先に折れるという。

別の長所は、安いことだ。これは供給量が大きいからか?
だから、一ヶ月持てばいい、という程度の絵具を作るなら、ボンドもぜんぜん絵具にはなる。ただ木に塗る用なので、粘稠性などの問題で使いづらいものになるかもしれない。これは実験してみないことには分からないが。



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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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