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奥の多摩道

 日曜。
 みみかざり少女を描き進めようかと思ったが、絵具の乾きが微妙なので、チューブが生まれ変わった自転車に乗って遠出する。
 奥多摩。
 遠く(20キロ以上遠いところ)に行くのは、今年初めてである(六月に行った鳥越も微妙に遠かったけど)。
 しかも山。

 私は今年の三月時点で、一酸化炭素中毒の影響で階段の上り下りもおぼつかなかった。
 だから遠くに行くのは今までちょっと恐かった。
 が、まあそろそろいいだろうと思うし、最近はパソコンとにらめっこが続いたので、緑をみたかったのである。
 多分筋力は以前より落ちてるし、これでハンガーノックしたら遭難するので、栄養補給を買い込んでから行く。
 スーパーヴァームで三倍界王拳。

 久しぶりなので、道がうろおぼえ。
 結果的にチェックポイントには着くが、いちいち謎ルートに迷い込む。

 檜原に入ると、いつ行っても走り屋やロードレーサーがいるが、今日はことに多い。
 私も足がもっていた最初の方は30キロくらいで巡航していたが、ばんばん抜かれる。
 ロードバイクいいな、早いな。欲しいな。落ちてないかな。朝起きたら枕元にないかな。夜帰ったら隣人がロードバイクになってないかな。パスタを茹でて茹で上がりの様子を見に行ったらロードバイクになってないかな。後ろから女の子に抱きしめられて、振り返ったらロードバイクになってないかな。それは嫌だな。というか、よく吟味したら全体的に嫌だな。

 檜原街道に入って暫く走ると、心の折れるポイントがある。丁度疲労が溜まってきた頃合いに、急に坂がきつく、長くなる場所があるのである。
 知ってるからがんばる。
 だがやはりブランクで体力より肉体的に相当きつくなってきたことと、「温泉」の看板に強く惹かれて、休憩をかねて数馬温泉に寄る。三頭山荘というお宿。
 風呂は私一人であった。とりあえずパンツとシャツを洗濯。
 内風呂で平泳ぎとクロールで遊んだのち、露天に出る。微妙に民家から見えそうな感じだけどいいのかしら? 
 湯は少しぬるい。しかし長く入るにはいいかもしれない。今日はそんな時間ないが。
 ふと手になにか触れたので、葉っぱかな? とおもってすくってみたらセミだった。キャア!
 湯が気持ちよすぎたのか、イッてしまわれてたけど、もうセミが出てるのだね。でも鳴き声聞こえてない。

 さて、温泉を出た先からの奥多摩周遊道路からが本当の地獄であるが……

 終りなく続く上り坂。
 既に体力は底をつき、筋肉は限界。その上での果てしない苦行。
 ペダルは重く、歩くより遅い。
 でも歩かない。こぐ。
 罰でやらされたらキレるが、自分に課すならこれもまたよし。

 辺りは濃霧。
 曇りは涼しくていいが、あまりに霧が濃い。直線道路だと100mもしないうちにホワイトアウトする。
 当然風景も真っ白。
 しかしそれはそれで神秘的。
 晴れの日の山の連なる壮大なスケール感もいいが、霧の日の貘たるのもよい。
 嵐の奥多摩、雪の奥多摩なども見てみたいものだ。雪は自転車では大変そうだが。
 ときどき風景を見ながらおにぎりを食ったりして休み、なんとか漕ぎ続ける。

 そうしてある瞬間、下り坂が訪れる。
 奥多摩に限らず、山の何が面白いかというと、ダウンヒルがあるのだ。
 特に奥多摩周遊道路は、「いつ終るの?」と疑問に思えてくるほど長く急な下りが楽しめる。
 時速60キロでカーブに突入し、自転車を寝かせてきわどく曲がり切った時の爽快感はなかなか言葉に表しがたい。
 これがあるだけでも、山を登る価値はある。

 帰路は気楽なものである。途中道を迷って入間に行きかけたときは少し焦ったが、なんとか軌道修正して小平に帰還。
 午前10時に出発して午後8時半に帰る。温泉と昼食でやや休みをとったが、それでも相当走った。
 
 しかし感想としては、糖分が常に必要分回っていれば、ペース次第でなんとかなるものなんだな、ということ。だが、いつか自転車レースに出るためには下半身の強化は必須に思えた。そう、レース出たいです。

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金城孝祐

Author:金城孝祐
劇団無敵の作・演出家。油絵も描いてる。

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